システムとは、開発したら終わりではありません。開発後にはシステムを製品に組み込んだり直接ユーザーに使ってもらうことになりますが、そこで不具合が発生した場合のエラー対応やリカバリ対応は必須です。このようなシステムの不具合を監視して、正常に動き続けるようにするのが保守運用の仕事です。エンジニアが保守運用の業務を行う場合は、どのようなスキルが求められるのでしょうか。
まずは、保守運用するシステムに対する深い知識が必要です。すでにリリースされているシステムの不具合を修正する場合は、迅速な対応が求められます。システムの仕様が分からないからと、エラーが出てからシステムやエラー箇所について勉強をはじめるようではとても間に合いません。システムはどういう働きをして、どの処理はどのプログラムで構成されているのかなど、システム全体に関する深い知識が最低限求められます。
次に、エラー対応時に顧客と円滑にコミュニケーションが取れる能力です。システムにもよりますが、エラーが発生したらユーザーの業務がストップしていないかを確認する必要があります。こうした場合はシステムの運用保守担当が直接ユーザーに連絡することが多く、エラーに対する謝罪はもちろんのこと、どういう症状が出て処理が止まっているのか、直前にどんな操作をしていたのかなどを原因特定のために確認する必要があります。そのためには要点を正確に伝えられる理解力や、やりとりをスムーズに進めるためのコミュニケーション力は欠かせません。システム保守運用は、いわばシステムの「番人」です。これから運用保守エンジニアを目指す方は、必要なスキルや求人案件などを下調べすることからはじめてみましょう(参考:運用保守を仕事に)。